壬生寺の歴史

1,000年以上の歴史を持つ壬生寺

律宗・壬生寺は正暦2年(991)、園城寺(三井寺)の快賢僧都によって創建されました。宗派は、南都六宗の一つである律宗に属し、本尊は延命地蔵菩薩(重要文化財)でしたが、昭和37年(1962)に本堂を全焼し本尊地蔵菩薩像を含む多数の寺宝を失いました。その後、新しい本尊延命地蔵菩薩立像(重要文化財)が、律宗・総本山唐招提寺から移されて、昭和45年(1970)に本堂の落慶法要が行われ、現在の本尊となっています。

本堂

190点以上の寺宝

五仏錫杖頭(重要文化財)や列仙図屏風(長谷川等伯筆・重要文化財)、室町時代の作を含む190点の狂言の仮面などの寺宝を今に伝え、年間法要や700年の伝統を持つ壬生狂言(重要無形民俗文化財)は絶えることなく行なっています。

列仙図屏風

重要文化財

京都の鬼門を守る

平安時代、壬生寺は白河天皇にあつく信仰を受けました。壬生寺は、京の御所から見て裏口の鬼門にあたるため白河天皇の発願によって毎年2月に節分厄除大法会が行われるようになりました。古来よりの地蔵信仰とともに、厄除・開運の寺として庶民の信仰を集め、現在も、毎年2月に行われる節分会(せつぶんえ)は約900年もの歴史をもつ行事です。

節分会を詳しく見る play_circle_outline

本堂内星供祈祷

壬生寺本堂内HONDO

本尊 延命地蔵菩薩像(中央)

(地蔵菩薩立像)

重要文化財

平安時代

御形像は僧形で截金(きりかね)文様の袈裟を着け、左手に宝珠を持ち、右手は与願印を結んでおられます。後本体は、桐を中心に檜を寄せて造られ、漆箔が施されています。現存する地蔵菩薩像の中では、日本最古の部類の像です。

脇侍 掌悪童子像(左)

平成19年

向かって左側の掌悪童子は、体が赤色で、金剛杖という杖と三鈷杖という法具を持っています。人間の煩悩を焼き、迷いの心を照らして悪霊を退けます。

本尊 延命地蔵菩薩像(中央)

(地蔵菩薩立像)

重要文化財

平安時代

御形像は僧形で截金(きりかね)文様の袈裟を着け、左手に宝珠を持ち、右手は与願印を結んでおられます。後本体は、桐を中心に檜を寄せて造られ、漆箔が施されています。現存する地蔵菩薩像の中では、日本最古の部類の像です。

脇侍 掌善童子像(右)

平成19年

向かって右側の掌善童子は、体が白色で、白い蓮の花を持っています。人間の持つ三毒(むさぼり・怒り・無知)を清らかにします。

壬生寺ご本尊のご利益

壬生寺のご本尊は、延命地蔵菩薩像です。
詳しくご利益を述べれば『仏説延命地蔵菩薩経』に十益(じゅうえき)を授けられると信仰されています。

  1. 1

    女人泰産

    安産を授かる

  2. 2

    身根具足

    丈夫な体を授かる

  3. 3

    衆病悉除

    病気が平癒する

  4. 4

    寿命長遠

    長生きを授かる

  5. 5

    聡明知恵

    知恵を授かる

  6. 6

    財宝盈溢

    金持ちになれる

  7. 7

    衆人愛敬

    誰からも敬愛される

  8. 8

    穀米成就

    穀物が実る

  9. 9

    神明加護

    神々の加護が得られる

  10. 10

    大菩提証

    偉大な悟りを得て極楽に行ける

本尊・脇侍を取り囲む障壁画と襖絵

友禅染の手法を応用し、現世や極楽浄土を表現されたものです。
薬師如来、日光菩薩、月光菩薩や阿弥陀如来、勢至菩薩、観音菩薩、そして地蔵菩薩の描写は、本尊の三方を取り囲むふすま8面と壁面6面(高さ約2.7メートル、全長約30メートル)の超大作です。

南側

北側