28 湯 立
        

  壬生寺の鎮守・六所明神の儀式が壬生狂言に移されたもので、神前に行われる湯立
をそのまま春の狂言最終日に一回だけ行うことになっ
ている。
  湯立は神前に釜をすえ湯をわかし、巫女が笹の葉束にこの熱湯をつけ、参拝者に
りかけて清める神事である。しかしこの狂言では巫女は後ろに控え、神主がそれ
をす
ることになっている。寺の大念佛に神事が入るのは大変珍しく、特徴をもつ。
 またこの湯立と棒振にだけ、はやし言葉が入る。 湯立では「明年の、明年の」と
すが、これは来年の狂言も変らず行われるよう祈願し、「明年も、明年も」と
唱えた
ものがいつの間にか言い誤ったのではないかと、推察されている。